おいしいお米に
なるまで
GROWTH

過保護でもなく、放任でもなく、稲と会話する丁寧な米づくりを。

おいしいお米になるまで

晩春~初夏

種まき

米づくりは種まきからはじまります。栄養たっぷりの土で、床土の水の量や土の厚さに気を使い、良質な種から苗を育てています。土が厚くなると酸素不足になり、発芽しにくくなるので気を配ります。育苗器に入れて、2~3日、芽が出るのを待ちます。その間も、温度管理・水管理を怠りません。

種まき 種まき

苗だし

育苗器で2~3日育てた苗を、田植えが出来る背丈まで育てるため、屋外に並べる「苗だし」という作業を行います。この苗だしが大変なんです!!一枚一枚丁寧に機械を使わず人の手で並べていきます。その数1回1500枚!なので、初回の苗だしは必ず筋肉痛になります(笑) 並べた苗の上に、銀紙を被せ数日待ちます。

苗だし

育苗

少し大きくなった苗に、田植えまでの間、毎日朝・昼水かけを行います。気温・天気はもちろん、苗に水が均等にいきわたる様に気を配り、機械などを使わず人の手で水かけを行っています。
この、人の手で行う水かけは、先代からのこだわりです。毎日ちゃんと苗の様子を見ながら水をあげる。スプリンクラーには出来ないことです。
毎年、この朝・昼の水かけだけを手伝いに来てくれるおばちゃんもいます。とてもありがたいことです。
そして、緑鮮やかな苗に育てます。

育苗

畦塗・田起こし

苗を育てる間、まず田んぼでは、畦塗(あぜぬり)を行います。田んぼの周りを土の壁で固め、水が漏れることを防ぎます。もぐらなどが開けた穴から水が漏れないようにする役目もあります。
次に、田起こし・耕起(こうき)を行います。春の乾燥した時期に田んぼの土を浅く耕す事で、次の作業の代掻きでよい土壌を作る基盤となるため、一度だけでなく何度も行います。

畦塗・田起こし

代搔き

田植えをする前の大事な作業、代搔き(しろかき)を行います。まず、田んぼに水がいきわたるように水を入れるのですが、入れすぎると上の土のみ掻いてしまうので、土が見える程度の水加減が難しいのです。
田面がデコボコだと田植えの時に苗が上手く植えられないので、田面を均等にします。また粘りある土に仕上げる事で苗の根が固定され、美しく植える事ができるのです。水もちをよくするために代掻きを何度か行います。
地味なことですが、田起こし・代掻きは、よい稲を育てる上でとても大事な作業なのです。

代搔き

田植え

いよいよ田植えです。5月の連休明け頃から約1か月間、順々に田植えを行います。テゥテゥテゥと小刻みに田植機が苗を植えていきます。小さい田んぼや、田植え機が入らない角などは、差し苗を手で行います。

田植え 田植え
田植えの後

田植えの後

田植えをした後の水管理は、とても重要で大変で大切です。田植え直後の時期は、急激な気温変化から苗を守るために深水を心がけます。1週間ぐらいすると苗が定着してくるので、浅水にしていきますが、寒い日や強風の時などは少し水を増やしたり、その日の温度・気候に合わせて、毎日水の調整を行います。

日の出より水の管理をはじめて夜遅くまで、1日中田んぼを見て回ります。田んぼによって水の入り具合や加減も異なりますので、それぞれに合わせた水管理を行います。

ちなみに水が少なくなり、土が見えている田んぼの事を「田んぼがくっついてる。」と言います。

夏~秋

中干し

田植えからおよそ40日。田んぼの水を抜き、中干しをします。中干しは、土の中に酸素をおくり、根を健全に保つ役割があるとされています。田んぼに入って足跡がつかない程度に乾けば、また水を入れます。そして、田植えからおよそ70日。かわいい穂が出はじめます。

中干し
稲の花

稲の花

穂が見えると、穂の先に小さな白い花が咲きはじめます。ほんとに小さな花で目立ちません。それは、風に乗って受粉するため、虫たちに見つけてもらう必要がないからだそうです。健気でかわいらしい。稲の花は、天気のよい日、午前10時ごろからお昼過ぎの間だけ見ることができます。

稲刈り

田植えからおよそ120日。黄金色の穂が垂れたら、稲刈りのはじまりです。種まきから、毎日丁寧に稲と会話をし、過保護でもなく放任でもなく、絶妙な手加減で育てあげたお米。いよいよ収穫です。
刈り取った籾は乾燥機へと運び、その後籾摺りをし、選別、袋詰めをして皆さまのもとへとお届けします。

稲刈り

稲刈り